こんにちは、メリッサです!
あなたは映画、好きですか?
犬派ですか?
犬が笑うって信じられますか?
それならぜひ、この映画「チャーリー」をおススメします!
私は大学時代、ウルドゥー語という言語を学んだ。パーキスターンで話されている言語だ。隣国インドで使われているヒンディー語とは、書き文字が違うだけでほぼ同じとされている。
そのせいか、インド映画も授業の一環でよく観た。当時の印象はとにかく長く、歌って踊る賑やかなミュージカル映画、という感じだったので、WOWOWの映画紹介ページで「チャーリー」を見かけたときには目を疑った。ロードムービー?しかも犬との絆を描く感動作?
犬好きとしては観ないわけにはいかないだろう。もちろん泣けることは承知の上だ。
結論から言うと、もう前半からボロボロ泣いた。
チャーリーが悪徳ブリーダーの元から逃げ出し、自由だと歌うところからすでに泣いてしまった。
「歌う」と書いたが、この映画では歌がとても効果的に使われている。チャーリー、主人公の気持ちを代弁するかのように挿入歌が使われているのだ。この歌詞もセリフのように聞こえ、余計泣けてたまらなかった。
チャーリーが出会うダルマは、孤独で人々に遠巻きにされながら生きている。唯一行きつけのお店の老夫婦だけが優しさをもって接してくれている。そのおばあちゃんが、いつもダルマに一枚余分につけてくれるパン。ダルマはそれを捨てているのだが、チャーリーはそのおこぼれにあずかっていた。
ある夜開かれた花火大会。私にはチャーリーがその爆音を怖がっているように見えた。そこに現れたダルマ。彼は大音量の花火や音楽で眠れず、舞台にいたバンドに無理やり演奏を終わらせる。このやり方はどうかと思うが、少なくともチャーリーにとってはよかっただろう。ダルマにはそんなつもりは微塵もなかったにせよ、チャーリーにとってはご飯もくれて、大きな音からも助けてくれた人。こうやってチャーリーはダルマを信じていったのではないだろうか。
ダルマの後をついて来ていたチャーリーがバイクに接触して怪我をしてしまう。誰も病院へ連れて行こうとしない中、動いたのはダルマだった。自分の犬じゃない、と言いつつも連れ帰り、チャーリーとの生活が始まる。
飼い主が見つかるまで、という約束で生活を共にする二人だが、チャーリーはやんちゃ盛り。ダルマの部屋をメチャクチャにしたりとやりたい放題だ。
そんなある日、ダルマが倒れてしまう。彼を乗せた救急車の後を必死に追い、病院までついて来るチャーリー。もちろんその姿にも泣かされる。病室の窓越しに、懸命に吠えるチャーリーを見たとき、ダルマの中にも何かが芽生えたのだろう。
その後引き取り手が見つかったと連絡を受け、一度は引き取られていくチャーリーだが、その件にも涙を誘われて仕方がなかった。引き取りに来た家族の子供たちから逃れるようにベッドの下に潜り込むチャーリーの目。「私をどこにもやらないで」と訴えているように見えた。抱き上げられて車に乗せられるときも、チャーリーはダルマから目を離さない。二人の別れに胸が痛んだ。
鑑札を届けようとチャーリーの新しい家族の元を訪れたダルマの目に飛び込んできたのは、相変わらずやんちゃで家中をしっちゃかめっちゃかにしているチャーリーの姿。思わず笑いだすダルマの腕の中に飛び込むチャーリー。あぁ泣ける……とにかくチャーリーの表情や演技が上手すぎて驚かされる。
ようやくダルマの元に戻ったチャーリーだが、血管肉腫という病に侵されており、余命わずかであることが告げられる。自分を幸せにしてくれたチャーリーのために何ができるのだろう?そう考えたダルマの目に、雪の映像を見てジャンプするチャーリーの姿が映る。ここから、チャーリーに雪を見せるための旅が始まる。
旅の途中、様々な出会いや体験が準備されていて、時折クスッと笑わせるシーンもある。人と犬との絆を描きながら、人と人とのつながりや人の温かさもしっかりと描かれており、この旅の経験すべてがダルマを変えていくのだろうと思った。
中でも印象に残ったのは、所持金がなくなったダルマが自分の携帯電話を売ってチャーリーの食事を得ようとする場面だ。店員は黙って携帯電話を押しやり、次の場面ではチャーリーも、そしてダルマも食事を得ている。人間って捨てたもんじゃないな、とぐっと来たシーンだった。
とうとうバイクも手放さざるを得なくなってくるあたりから、チャーリーの病状も悪化してくる。あと少しで雪山に着く、というところでも地滑りでバスが先に進めなくなる。それでも諦めずに先へ進むダルマ。チャーリーを背負って山を登り始める。そしてついに二人の目の前に雪に覆われた世界が広がる。
初めはゆっくりと雪の中に踏み出していったチャーリーがダルマを振り返り、そして思い切り駆け出すシーンでまた泣けた。
二人が雪の中で追いかけっこをしたり、倒れこんだりして遊ぶ。それはかつて私が愛犬としていたのと同じだ。降りしきる雪の中で駆け回る二人の姿を見ながらひたすら泣いた。
そしてダルマは夢を見る。二人で元住んでいた団地に帰る幸せな夢だ。チャーリーを可愛がっていた隣人の少女がチャーリーを迎える―そこで目を覚ますとチャーリーがいない。
ひたすらにチャーリーの名を呼び、行方を追うダルマ。雪の中、ダルマを迎えるように待つチャーリー。チャーリーを抱きしめ、ダルマは言う。「何をしても俺はお前を救ってやれない」と……そして、チャーリーは隣人の少女が教えてくれた「ありがとう」をダルマに見せる。そして虹の橋を渡っていくチャーリーには、これでもかというくらい泣かされた。声を上げて泣くダルマにも。
ダルマの元にはチャーリーの子どもが残された。そしてダルマは、動物愛護センターを開く。チャーリーのように悪徳ブリーダーに苦しめられる犬を助ける側になるのだ。
あぁ、本当に泣けるいい映画だった。
この映画の舞台はインドだけれど、悪徳ブリーダーは世界中どこにでも、もちろん日本にだっているだろう。チャーリーの病気が近親交配を原因とするものだったように、ツラい思いをしたり虐待されている犬がどのくらいいるのか。ただ泣けるだけではなく、そういったことまで考えさせられる内容だった。
何より主役チャーリーの演技には舌を巻くこと請け合いだ。ダルマへの深い愛情と信頼がまっすぐに伝わって、本当にかわいくて泣かされる。
164分と長い作品だが、ぜひ観てみてほしい。
